1200MHzレピータに安くアクセスしたいのでトランスバータを作る(検討編&迷走の記録)

動機 1200MHz帯のレピータにアクセスしたい。 でも1200MHz対応の既製無線機(ID-9700など)は高すぎて買いたくない(お金をかけたくない)。 既製品を買わずに、なんとか安上がりに出られないかと考えた。 検討した方式の歴史(ボツ案の山) 1. 親機FM送信波の3逓倍方式(数年前) 手持ちの430MHz帯トランシーバの出力をそのまま3逓倍段に突っ込んで、安く1200MHzへ持ち上げられないか検討。 周波数偏移(デビエーション)が3倍に広がる問題については、「親機側をナローFM(±2.5kHz)で送出して3逓倍すれば±7.5kHz程度で収まるから、レピータ側の受信フィルタ帯域ならギリギリ誤魔化せるのでは?」と考えた。 しかし、それ以前に周波数の算数で完全に終了した: 430 MHz × 3 = 1290 MHz にしかならない。 レピータを開けるためのアップリンクは 1270MHz台 なのに、3倍するとレピータの送信側(ダウンリンクの1290MHz台)に突っ込んでしまう。 1270MHzを出すには親機から 1270 ÷ 3 ≒ 423.333 MHz を送り込まないといけないが、アマチュアバンド(430〜440MHz)の外側なので既製品のトランシーバはそのままでは送信できない。 送信できるように親機にバンド拡張などの改造を施すと、元の周波数(普段の430MHz帯)で使えなくなるし、手持ちのリグをそのまま手軽に流用したいという趣旨から外れて本末転倒。 結論:変調の誤魔化し以前に、バンドプランと割り算の冷酷な現実によって秒でボツ。 2. PLLに直接FM変調をかける方式(前回の実験) 広帯域PLLシンセサイザIC「ADF4351」を使って、手始めに1290MHz付近を直接発振させればいいのでは?と検討。 制御プログラムは自分では書けないので、Geminiとantigravityに丸投げしてレジスタ制御コードを生成。 お金をかけたくないので高級なスペアナなどはなく、手持ちの RTL-SDR Blog V4 と SDR++ を簡易スペアナ代わりにして発振テストを実施した。 【ここで踏み抜いた罠:波形が荒れ狂って電源とマイコンを疑い散らかす】 SDR++の画面上に怪しげなノイズフロアの上昇や謎のゴーストピークが多数出現し、「おいおいADF4351、こんなに汚い波形吐くのか…?」と頭を抱える。 「USB電源が汚いのか?」「給電ラインのリップルか?」と電源を疑ったり、「AIに丸投げしたレジスタ設定のビットが狂っていて変な発振モードに入ってるのか?」とマイコンコードを疑って右往左往。 真相:SDR++のRFゲインが高すぎてSDR側が過大入力でサチっていただけ。 ゲインをガッツリ下げたら、嘘のように1290MHzのキャリア一本が綺麗に直立した。 とりあえず1290MHz付近(画像では約1.294GHz)を発振させてみた時の様子[cite: 1]。Gainが37.2dBと高すぎてADCが過大入力でクリップし、目的信号の両脇に等間隔の歪み(相互変調)が林立している[cite: 1]。 しかし、1290MHzの発振自体は確認できたものの、ここからループフィルタ帯域内で直接綺麗にFM変調をかける方法についてGeminiと壁打ち相談していたところ、回路規模・調整ともに「完全な茨の道」であることに気づいて白目になる。これもボツ。 3. 「家に転がってるID-31を変調器にすればよくね?」という天啓(現在) そもそも変調器をゼロから作る必要はない。 部屋に転がっているID-31(430MHz帯)を変調器(親機)にして、周波数変換する「トランスバータ」を作れば一番手っ取り早くて確実ではないか、という結論にようやく到達。 次の予定 というわけで、直接発振・変調の夢は諦めて「430MHz → 1200MHz トランスバータ」の製作へ舵を切ることに決定。 現在はミキサや周辺で使うパーツをアリエク(AliExpress)で注文し、深センからの到着待ち。 部品が届き次第、局発(LO)とID-31の信号を混ぜてフィルタやスプリアスの実験に進む予定。

2026年10月28日 · 1 分